株マップ活用特集

第9回:銘柄分析を使いこなす、業績は企業の通信簿!(業績情報編)


企業を分析する上では大切なのは、何といっても業績だ。業績=企業活動の結果といえる。

業績情報」のページでは、直近5年間の業績と今期の業績予想を分かりやすくグラフ表示しているのが特徴だ。

まずは、売上高。当然、右肩上がりが好ましいが、急激に上がっていることよりも、毎年安定して伸びていることが重要だ。一番右の、水色になっている棒グラフは今季の予想を表している。予想に関しては、1年間の間に上方修正されたり下方修正されたりするので、注意が必要だ。その辺は、「業績予想」のページ(次回で解説予定)で詳細に分析することができる。

また、赤い折れ線グラフは、売上高経常利益率を表している。このレベルが10%を超えていれば、収益率の高い企業といえるだろう。

<売上高のグラフ>

売上高

次にキャッシュフローを見てみよう。キャッシュフローは、実際に「現金」が増えたか(減ったか)を表している(財務キャッシュフローは除く)。例えば、利益が黒字でもキャッシュフローは赤字といったケースがあれば要注意だ。利益は多少の操作が出来ても、実際のお金の動きはごまかせないからだ。

<キャッシュフローのグラフ>

キャッシュフロー

続いて、経常利益と当期利益を見てみよう。どちらも右肩上がりで、しかも、毎年のでこぼこが少ない方が好ましいといえる。また、当期利益は通常は経常利益の6割程度になる(経常利益から4割程度を税金で支払うため)。もし、当期利益が経常利益と同程度または、経常利益より多い場合は、過去の赤字により税金の支払いが免除されているか、特別利益があったと考えよう。その場合、PERがすごく低くなって割安の場合でも、少し割り引いて評価する必要がある。

<経常利益と当期利益のグラフ>

経常利益と当期利益

その下にあるのは、総資産と自己資本比率の推移だ。ここでは、特に、自己資本比率の推移に注意を払いたい。自己資本比率とは、総資産のうち、自己資本の占める割合ということなので、負債(借入金)が少ないほど、この比率が高くなる。目安としては、自己資本比率が50%以上なら、負債より自己資本が多く、財務は健全といえる。ただ、業種によって平均レベルが違うことは知っておこう。)このグラフが右肩上がりなら、財務状況が改善の方向にあり、下がっていくようなら、負債を増やしているということが分かる。

<総資産推移と自己資本推移のグラフ>

総資産推移と自己資本推移

最後に、企業財務の分析は大変奥が深いが、この業績情報では、その中でも押さえておきたいポイントが確認できるので、銘柄分析をする上ではかかせないページになるだろう。

※ 「業績情報」ページは株マップ.comプレミアム会員専用ページとなります。

次回は、「第10回:銘柄分析を使いこなす、業績予想の正確さを分析する!(業績予想分析編)」です。

目次

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