*16:45JST ＢＳ１１ Research Memo（5）：オリジナルドラマ「恋は50を過ぎてから」が日本民間放送連盟賞など受賞（1）
■日本BS放送<9414>の業績の動向

3. 2023年8月期における主要トピックス
2023年8月期には、開局15周年を迎え、特番やレギュラー番組スペシャル拡大版、各局とのコラボレーション番組等の特番制作、国内外のドラマをはじめとしたコンテンツ購入等への注力によりコンテンツを拡充。開局以来初となるオリジナルドラマ「恋は50を過ぎてから」は開局15周年特別番組として放送し、2023年日本民間放送連盟賞 番組部門テレビドラマにおいて優秀賞を受賞した。

また、放送した番組の関連コンテンツの、「BS11+」及び「BS11」公式YouTubeチャンネルでの配信を積極的に行っており、「BS11+」課金プランを見放題プランへ統一し、TVerでの見逃し配信を開始する等、配信プラットフォームを拡充させ、配信ビジネスを強化している。このほか、「AnimeJapan 2023」や「とちてれ☆アニメフェスタ2023」等のアニメイベントへの出展や協賛、コラボレーショングッズの販売等イベント事業も幅広く展開したことに加えて、リアルイベント・生配信・アーカイブ配信・特番放送とマルチに展開させた「貴公子たちの音楽会」を2回開催する等、配信ビジネスとともに非放送分野の拡大を推進した。さらに、「ボクの即興ごはん?竹財輝之助のひとりキッチン?」シーズン2では、タイアップ企業の商品を使ったオリジナルレシピを開発し、YouTubeでのインフォマーシャルを通して商品購入ページへの誘導を図る等、拡充したコンテンツ及びその制作力を生かした新しいセールスメニューの開発も行った。

4. 2023年8月期における取り組み
(1) 特別番組
2022年12月1日に開局15周年を迎え、開局15周年特別番組や、レギュラー番組のスペシャル拡大版を多数放送。同社は、経営ビジョンとして「豊かで癒される教養・娯楽番組」を掲げており、2023年8月期には、春・夏・秋・冬と季節ごとに四季折々の京都の魅力を届ける番組を(株)京都放送と共同制作し放送した。京都を題材とした番組は総じて人気があり、視聴者の期待も大きいため、同社では京都番組のブランディング強化を図っている。

開局15周年記念特別番組として、オリジナルドラマ「恋は50を過ぎてから」のほか、「新作落語で知る浮世絵の世界?明治維新 メディア時代の幕開け?」「アートミステリー 国立西洋美術館誕生秘話?モネを救え!?」「宇宙のはなしをしよう!」等の番組を放送した。また、例年好評の、夏の花火・祭り番組では、「感動をテレビで!全国の夏祭り生中継」と銘打ち、「生中継!青森ねぶた祭 ほとばしれ!北国の魂」「生中継 第1回ぎふ長良川花火大会」等、日本全国各地の花火や祭りを、各地の地方局とコラボレーションする形で放送した。

レギュラー番組では、年末年始をはじめ、人気番組のスペシャル拡大版を放送。「報道ライブ インサイドOUT 鈴木哲夫の永田町ショータイム 年末特番『あなたの知らない政治の裏側2022』」や「諸見里しのぶ 実践ゴルフテク!大晦日2時間スペシャル 珠玉のドライバーレッスン集!」「八代亜紀いい歌いい話 新春2時間SP! 密着!八代亜紀inパリ スペシャルコンサート」等、多様なジャンルのレギュラー番組拡大版を放送した。スポーツ番組では昨年に引き続き、女子ソフトボール「JD.LEAGUE」開幕戦の放送や、2023年8月期は新たに「ブンデスリーガ ジャパンツアー」「2022年 第30回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」等の大型スポーツコンテンツを放送したほか、スポーツ×地方×観光が一体となった番組「スポーツで未来をつなぐfromおおいた」等の放送も行った。

(2) レギュラー番組
2023年8月期は、2022年10月・2023年4月の番組改編にて、新旧番組のレギュラー放送を開始した。2022年10月の番組改編では、特番として放送し好評を得た「中山秀征の楽しく1万歩!小京都日和」のレギュラー放送を開始。2023年4月の番組改編では、「太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選」のレギュラー放送が復活した。また2023年6月には、歴史教養番組「偉人・素顔の履歴書」を「偉人・敗北からの教訓」として、番組の切り口を変えて内容をパワーアップ。京都ブランディングの一環として俳優の角野卓造と近藤芳正が出演する不定期放送番組「おやじ京都呑み」を放送するほか、(株)京都放送、東京メトロポリタンテレビジョン(株)との3社共同制作番組「京都画報」等、コンテンツの拡充を図っている。また、ドラマコンテンツにおいては、日本初放送の中国ドラマ「麻洋街（マーヤンジェ）へようこそ」、BS初放送の韓国ドラマ「江南<カンナム>スキャンダル」や、無料BS初放送でX（旧Twitter）でもトレンド入りする等話題となった中国時代劇「山河令」等、アジアドラマや国内ドラマ、ヨーロッパミステリー等、多様なジャンルを放送した。なお、ドラマについては、一部ドラマの「BS11+」での課金配信を行っており、配信においても着実に実績を積み上げているようだ。

「ディスカバリー傑作選」においても、「名車再生!」「魅惑のアクアリウム」等、様々なジャンルのコンテンツを厳選して放送した。ほかにも報道番組では、「速報ニュース インサイドOUT」の放送開始時間を統一し、より見やすい編成にしたほか、「報道ライブ インサイドOUT」においては、8月に「シリーズ日本の宿題」と題し、スタジオセット等の演出を変え、外交・安全保障・環境問題といった様々なテーマに沿って番組を放送する等、内容をより一層充実させた。

(3) アニメ関連事業
アニメについては、「ANIME+」枠で、製作委員会参画作品を含むアニメ関連番組を、毎クール約40タイトル放送している。同枠の「BS11ガンダムアワー」では珠玉のガンダムシリーズを放送し、「キッズアニメ∞（むげんだい）」枠では英語との2か国語放送の「ラウド・ハウス シーズン1」等を放送した。アニメソング番組「Anison Days」、エンターテインメント情報番組「アニゲー☆イレブン!」も好評で、幅広い年齢層のファンのニーズに応えられるよう、様々な切り口でアニメ関連番組を放送した。また年末年始には、主催した「アニメロサマーライブ2022-Sparkle-」をテレビ独占放送したほか、「AnimeJapan 2023」や「とちてれ☆アニメフェスタ2023」等のアニメイベントへの出展や協賛等、アニメに関しても放送に留まらない幅広い事業展開を行った。

（執筆：フィスコアナリスト　村瀬智一）


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