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理論株価とは、その名のとおり、理論的に算出した妥当な株価ということになるが、どういう理論で算出しているのかをまず説明したい。
まず、株価というのは、乱暴にいえば、その株式会社がいくらで買えるかということを表している。実際は、その会社を全部買おうと思えば、時価総額がその値段となる。(実際に買おうと思うと、その値段で買えるわけではないが。)
そして、その時価総額を全株数で割ると、一株あたりの会社の値段、つまり、それが株価というわけだ。
会社の価値を測る方法としては、その会社の収益(フロー)を基にする方法と、資産(ストック)を基にする方法がある。大雑把にいえば、PERは前者、PBRは後者ということになる。クォンツ・リサーチの理論株価では、ストックとフローの両方を加味している。
前置きが長くなったが、要は、純資産が多く、毎年の収益が多いほど、会社の価値は高くなるということになる。
さて、純資産は現在の決算書で既に分かっているが、流動的なのは、将来の収益ということになる。将来の収益がどんどん成長する見込みなら、価値は高くなるし、目減りする一方なら価値は低くなる。
そこで、将来の収益を「期待成長率」という変数を使って算出している。理論株価のページを見ると、「期待成長率」のシナリオが、
の3つに分かれている。
これを見ると、期待成長率が高いほど理論株価も高くなっていることが一目瞭然だ。
ところで、「期待成長率」の「現株価」とは何を表しているのか。ここが大事なポイントなのだが、これは、現在の株価がちょうど妥当になるような将来の期待成長率を表している。
上図の例だと、「現株価」の期待成長率は、-8.50%なので、この銘柄は将来のマイナス成長が予想されているということになる。その時の理論株価は、当然ながら、現在の株価と等しい。
ここで、PERやPBRを例に出すと、銘柄によって、割安なものも割高なものもある。これは裏を返せば、割安なものは将来の成長性が懸念されているから割安で、割高なものは成長性が高く期待されているから割高になっているともいえる。
理論株価もまさに同じで、現株価が純資産や現在の収益に対して割安な場合は、現株価の「期待収益率」が低くなる。これは、期待が低いわけだから「不人気」ともいえるが、逆にいえば、将来の収益の期待値(ハードル)が低いわけだから、それを上回れば現在の株価はお買い得ということがいえる。
まとめると、
今回は、理屈っぽい話ばかりになってしまったが、次回は画面を使って、具体的な使い方を説明したいと思う。
※ 「理論株価分析」ページは株マップ.comプレミアム会員専用ページとなります。
次回は、「第12回:銘柄分析を使いこなす、理論株価分析の真髄に迫る!(その2)」です。
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