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前回は、理論株価の考え方について説明したが、今回は具体例を見ていく。
前回も説明した表だが、期待成長率のシナリオには、「現株価」の他に、「市場平均」と「同業種平均」がある。これらは何の平均かというと、「同業種平均」であれば、同業種内のすべての銘柄の「現株価」の期待成長率の平均だ。つまり、業種全体として、期待される成長率が高いか低いかを表している。「市場平均」についても同様で、こちらは東証プライムの平均値を算出したものだ。
この平均値をこの銘柄に適用すると、当然ながら、理論株価は異なってくるということになる。この銘柄の場合、現株価である1,103円が妥当となるような成長率は、-8.5%だが、業種平均だと、-4.66%とそれより高いため、業種平均期待成長率を当てはめると、理論株価は1,365円までアップする。
更に、市場平均期待成長率の1.76%を適用すると、一気に2,090円まで理論株価がアップするというわけだ。
ちなみに、この銘柄は、PER=6.90、PBR=0.87と平均よりも割安な銘柄で、その分期待成長率が低いため、平均を当てはめると理論株価が高くなるということでもある。
ちなみに、それぞれの期待成長率を適用した場合の、将来の収益図が下のグラフで示される。
上の図では、「現在の株価が妥当となるようなシナリオ」を適用したケースなので、この収益シナリオよりも実際は良いだろうと判断すれば、「買い」、悪いと判断すれば、「売り」ということになる。
上の図は、期待成長率が-8.50%のシナリオで、理論株価=現在の株価(1,104円)だが、「市場平均を適用」のリンクをクリックすると、
市場平均成長率=1.76%が適用され、その収益シナリオがグラフ表示される。ちなみに、その際の理論株価が2,090円になるのは前述の通りだ。
最後に、理論株価は、主に、株価が割安かどうかを判断する指標として使うと思うが、大切なのは、現株価の期待成長率と、実際に予想する成長率との比較だ。例えば、超成長株があって、現株価の期待成長率が高い場合、市場平均や業種平均を適用した場合の理論株価は低くなってしまうが、本当にその銘柄が、期待成長率以上の成長が期待できるのであれば、それは「買い」と判断することができるということだ。
※ 「理論株価分析」ページは株マップ.comプレミアム会員専用ページとなります。
次回は、「第13回:銘柄探しを使いこなす、簡易スクリーニング編!」です。
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